予防にもおすすめ！
つら～い生理痛を和らげるツボ3選

　生理痛がひどいとき、どうしていますか？　ひたすら横になる、体を温める、鎮痛剤を飲む…いろいろな方法がありますが、なかでも手軽にできるおすすめの方法がツボ押しです。今回は、YSI鍼灸整骨院の院長・六反園卓也先生に、生理痛を和らげるおすすめのツボを教えてもらいました。

生理痛はツボ押しでラクになる？

　そもそもツボとは、一体どんなものなのでしょうか？　

　「ツボは、東洋医学では『経穴（けいけつ）』と呼びます。諸説ありますが、昔から人間が『このあたりをさすったり押したりすると、痛みが和らぐ』という経験値から、ツボの位置が定まったと言われています。つまり、痛みが改善されたという臨床を積み重ねて、ツボが生まれたんですね。民間療法だと思われがちですが、WHO（世界保健機関）にも認められているんですよ」（六反園先生）

　なんと、WHOのお墨付きだとは驚きです。ちなみに、WHOが認定しているものだけでも全361穴あるそうです。

　「西洋医学のように、実験をしてデータを出しているわけではないですが、経験値という確かなエビデンスはあります。ただ適当に並んでいるわけではなく、実績に基づいた場所にツボがあるんです。基本的に、ツボ押しには副作用がなく、なにか体に不調を感じたときにまずできるセルフケアなので、ぜひ覚えておくといいと思いますよ。もちろん、生理痛のときにもおすすめです」（六反園先生）

覚えておきたい！生理痛におすすめのツボ

　それでは早速、生理痛を和らげたいときにおすすめのツボを3つご紹介します。

（1）腰のツボ：大腸兪（だいちょうゆ）

　骨盤の上のライン（いわゆるベルトのライン）、背骨の両脇指2本分の場所にあります。

　この場所は、生理痛をはじめとする婦人科疾患に良いと言われるツボです。腰痛にも効果的。

（2）お腹のツボ：関元（かんげん）

　おへその下指4本分の場所にあるツボ。武術の世界では「丹田（たんでん）」とも呼ばれています。

　お腹が痛いときなど、自然に手をあてたりさすったりしている場所ではないでしょうか。日頃からこの場所を冷やさないようにしておくことがおすすめです。

（3）足のツボ：血海（けっかい）

　太ももの内側、膝のお皿の上部内側から指3本分上がったところにあります。

　血の海という字の通り、生理や生理痛に関係するツボ。押すと痛みを感じる人も多いかもしれません。冷えなどの症状にも効果的です。

ツボの押し方

　ツボ押しは、特に道具が必要ないのでいつでもどこでもできるのが利点です。ただ、指先だけで圧をかけようとすると、指が痛くなってしまう場合もあります。コツは、ツボの位置に指先をあてて、体全体の重みで刺激すること。

　たとえば、大腸兪を押す場合、腰をつかむようにして親指をツボにあて、そのまま体を前後左右にゆっくりと倒してみましょう。血海の場合は、あぐらをかくような姿勢になり、親指をツボにあてて、体重をかけながら押すと、楽に圧がかけられます。

　一人では押しにくいツボを刺激する場合は、100円ショップなどでも販売しているテニスボールを使ってみましょう。たとえば大腸兪を刺激するとき、寝転がって腰のあたりにテニスボールを置き、ツボを中心に縦、横とテニスボールを移動させながら圧をかけます。できれば2個をガムテープなどで包んで固定すると、一度に左右のツボが押せるのでおすすめです。壁にもたれて、間にテニスボールを置いて刺激するのも◎。

　もちろん、関元や血海もテニスボールで押して問題ありません。押してみて痛気持ち良いところ、硬いところ、ぶよぶよしている場所があれば、念入りに刺激をしましょう。硬いところはコリ、ぶよぶよしているところはむくんでいると考えられます。

ツボ押しするときに覚えておきたいポイント

　基本的に副作用などがないので、ツボ押しは誰でも気軽にできるセルフケアのひとつ。ただし、いくつかの注意点もあります。

　「ツボの中には子宮の収縮を促すものもあります。そのため、妊婦の方は避けたほうが良い場合があるので、妊娠中にツボ押しをするときは、鍼灸師に相談するなどして、少し注意したほうがいいでしょう。

　ツボ押しはいつやっても問題ありません。痛いときに押すのはもちろんですが、今回ご紹介した3つのツボを生理前や生理後にも刺激していると、次の生理を迎える準備として、体の調子を整えるのに役立ちます。ぜひ、気づいたときに押してみてください。

　ちなみに、ツボ押し棒などでグリグリと強く刺激するのは、今回の3つのツボに関してはおすすめしません。道具を使ってあまり強く押しすぎると、内出血になる場合もありますので。あくまでも、少し痛気持ち良い程度の力で刺激してくださいね」（六反園先生）

　ツボ押しは、電車の中やデスクワークの合間など気軽にできます。生理時はもちろん、生理以外のときも意識的に取り入れて体調を整えて、少しでも生理痛が楽になりますように！